IVS 2016 Fall Launch Pad 第三位になった「LEAP」とは何か? #未来農業media

      2017/04/08

IVS 2016 Fall Launch Pad 第三位「LEAP」

前々回紹介したIVSのローンチパッド第三位になった「LEAP」の中身について見てみよう。

IVS(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)2016 Fall「Launch Pad」の結果は全て農業に絡んでいた #未来農業media

上記がプレゼン動画である。




主なサービス内容

「LEAP」

「LEAP」の主な内容は下記の通りだ。

  • 農業に参入するまでの新規就農過程をパッケージ化することで、スムーズな就農をサポートする
  • 農地も確保してある
  • 「ゆる野菜」というブランドで販路も確保してある
  • とりあえずは栽培品目はトマトとキュウリ

一般的に、新規就農はなかなか難しいというのが業界の常識だが、単純に言えばそれは『農家が多すぎて農地が空いていない』ということだと言える。そもそも、既に農業を行っている人たちですら農地集めには一苦労しているというのに、後からぽっと出の若造が経営的に条件の良い立地の農地を貸してもらえるはずがない。

私自身、山梨で農地が無かったため長野まで行ったにもかかわらず、そこでも農地が無かったというオチだったので、説得力はあるはずだ。ちなみに「耕作放棄地は増えている」という論調と「農地は余ってます」という説は、ごく一部の限られた地域であるということと、場所を選ばなければどこにだってある、というアンサーを用意しておきたい。

気になったこと

さて、そういった前提条件を踏まえた上でこのサービスを見てみよう。

まず「政府は今後新規就農者を20万人増やす」という流れの中での話のようだが、そもそもその「20万人」というのが適正なのかどうかがハッキリしていない。個人的には、『20万人なんて多すぎる』というのが私見だ。政府の言うことを鵜呑みにして農業ビジネスをやるなんていうのは、業界人なら愚の骨頂だというのは誰でも分かっているはずだ。既に飼料米でそのしっぺ返しを受けた人たちは数多くいるだろう。

『農業で成功したいなら、農政とは逆を行け』というのがやり手の農業経営者たちの暗黙の了解だ。

そう考えた時、このサービスの『トマトの袋栽培』というのは一体どうなのか。先に言っておくが、袋栽培なんていうのはイノベーションでもなんでもなく、トマト屋ならごく当たり前に存在を知っている方法なので、目新しくもない。IVSの審査員の方たちは、これを見て結構すごいと思ったんだろうか……?

さらに、最近流行りのIoT分野においてはトマトなんてのは最も取り組みやすい品目なので、今後パッケージ化された栽培システムはわんさか出てくるだろう。既に供給過剰になっているのである。既に高級スーパー50店舗へ販路を作ったという話だが、その消費量は一体いつまで続くのだろうか。

私自身、トマトで農業研修を受けた人間なので、周囲からはトマトをやらないのか?と言われていたが、今思えばやらなくて本当に良かったと思っている……。

「LEAP」のまとめ

ということでまとめるとすると、ちょっと微妙なサービスであるというのが正直な所だ。胴元は一時的に儲かるかもしれないが、この仕組みを使って就農する人たちは、新たな時代の小作人になるだけだろう。

唯一、チャンスがあるとするならば、海外進出だろうか。そういう意味では頑張って欲しいとは思うが、広い場所ではコスパが合わないし、地価が高い所では植物工場に負けるだろうし、多分都市近郊型に限られるだろうなぁ……。

トマト以外の果菜類へ広げるパターンも考えておいたほうが良いだろう。

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