なぜ農協改革は進まないのか?

      2017/04/09

ちょうど興味深い話題がありましたので、ご紹介しておきます。



なぜ農協改革は進まないのか?

アゴラ言論アリーナで放送された、キャノングローバル戦略研究所の山下さんの農協論です。

こちらを見て頂くと、農業・農政がどうして今のようになったのか良く分かります。

以下、簡単に抜粋します。

  • 全中廃止、全農株式会社化は基本的には農協によって5年間かけて行われる予定だが、未だにTPP反対と、スタンスが何も変わっていない
  • 政権自体が財界寄りなので、農林水産寄りから大分変わってきた。 農業の占める割合はわずかに過ぎないため
  • かつて農林省は小作人が搾取される問題を農地法で改革し、その後競争力を付けるために農業改革を行う予定だった。 同時に、共産思想の防波堤とするため、農村を掌握しておきたかったという考えがあった
  • もはや自民党は組織化された農協票をアテにしなくても政権は取れるが、唯一問題なのはその票が民主党に流れてしまう懸念があること
  • 政治家が農業を利用してきた歴史がある。 今までは農協を通じて補助金を与えたり、減反を行ってきた。 それを民主党の小沢さんは、農家へ直接支払いにすることで、農協の影響力を弱めようとした
  • 最初は、主業農家のみに直接支払いを行い、規模拡大させていく予定だったが、政権に近づくに従い、現実的になる。 この方法はウケないので、全員にバラマキを行うようになった
  • 将来的には農協の力を弱めることにより、産業競争力が付いてくる。 かつては農業保護を競い合うことで票を獲得してきた政党ばかりだったが、ようやくそこを議論するようになる党も出てきた
  • 今は小農の方が豊か。貧農などいない。 農家の所得はサラリーマンを上回っている。 それを一般の人は知らないので、国会議員の頭の中にはない。そこが前提として考えられている
  • 国内のマーケットのみしか考えずに農業をやっていくと、高齢化して人口減により、衰退して安楽死するしかない。 農林族は農村を愛しているというが、それは今の農村票だけであり、本当に農村や農業を愛しているというわけではない

 

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農地改革と資本家の不在 : 

まとめ

さて、上記を念頭に置きながら簡単にまとめてみると、元々国が発展する際に一番多い職業というのは、『農家』ということになるので、民主主義においてはそこをどう自らの傘下に治めるか、ということが重要になります。

そうした状況において、『補助金をやるので、支持しろ』というのは、それまで災害や飢饉に嘆いていた農民にとっては、非常に甘い蜜として聞こえるわけですね。

それまでの貧農史観とも合わさって、「貧しいオラたちを助けてくれる偉い人々は素晴らしい人たちだぁ~」という雰囲気になっただろうことは、想像に難くありません。

幸い、日本は工業立国で世界トップレベルにのし上がったため、その流れがずっと続いて、農民は昔からの農民のまま、何も変わらずに数もそのままで続いてきました。

政治家の方々にとってもその方が都合が良かったので、農林水産業は発展することなく、ずっと過去の形態のまま、今までずっと続いてきたのです。そしてその利権を求めて、農協という組織とのせめぎあいが続いてきた……という歴史があったんですね。

……そろそろ、近代に入っていきたいと思います。

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