農業関連ビジネスが儲からない理由

      2017/05/14

先日の記事に非常に反響があったので、もう少し深堀りしてみたいと思う。

日本の農業界に活気が無くなっていく理由





業界全体での生態系を作ること

反応の中には 「ベンチャーに勝ち目がないからやめとこ」という人はやめておいた方がいい、という意見もあった。確かに筆者も以前そう思っていたし、今でもその考えはほとんど変わらない。だが、最近になって少し考えが変わった部分もある。それは、近頃よく見ているIT系のベンチャーたちの業界の様子だ。

まるで相撲部屋? ベンチャーキャピタルの仕事について佐俣アンリさんに聞いてみた

こうしたITベンチャーたちやそこに投資するベンチャーキャピタル(VC)たちを見ていると、ただ起業家を増やそうとしているだけでなく、その『生態系』を作ろうと必死なのがよく分かる。日本においては非常に活気づいているIT系スタートアップではあるが、アメリカのシリコンバレーなどと比べるとその資金調達額などはまだまだだ。

そうした所へのライバル意識によって、日本でも全体で一丸となってサイクルを作り、『成功する起業家を生み』、『成功した起業家が次の起業家を支援し』、『業界全体で勢いを作っていこう』という意気込みがよく分かる。彼らのモチベーションと、それによって生まれる活気の好スパイラルがよく分かる取り組みだ。

では一方で農業界に関してはどうか。正直に言って、過疎高齢化している日本において、優秀な若い人材と出会うことはかなり難易度が高くなってきている。仕事へのモチベーションの変化や、フリーランスとしての働き方がクローズアップされるなど、最早『優秀な人材は取り合いになっている』。上記のIT業界においても、熱烈なスカウトは当然のことだし、もう『やる気のある来たい奴だけ来ればいいや』という時代ではないと思っておいたほうがいい。農業界は限界集落化しているのだ。

そんな中で前回のような記事が出てくると、リスクを避けるやり手の起業家はこの業界を避けるだろう。……また先日、このようなニュースを見つけた。

2015.08.17 農業経営アドバイザー3354名に 日本公庫

他の業界のこういった肩書きの人たちの割合はよく知らないのだが、率直に言って「多すぎじゃね?」と思う。……いや、多いだけならまだいい。しかし、これだけの人数がいて、業界のこの結果なのか……?という部分が非常に不可解なのだ。

果たして日本の農家の適正数はどれぐらいなのか?

一方で、このような意見もある。

日本農業、色々ヤバイ/カンボジア(アド)ベンチャー創業記

このデータを見る限り、日本の農家は約3分の1ぐらいに減らしてもいいのではないか?という話だ。常々、農家の最適人数のガイドラインも無く、現状維持としての就農人数を増やす政策には意味がないどころか、かえって悪影響だということを主張してきたのだが、この部分をもうちょっと具体的に見てみよう。

予てから、日本の農家は皆「ケチくさい」という印象を持っていた。これまで様々な業界関連業者が参入してきたが、なかなか泣かず飛ばずにしりすぼみになってしまうというのがその辺りを示しているかもしれない。これは、上記のデータからも分かる通り、既にレッドオーシャンになっている生産者のシェアに対して、需要側はどんどん減っているのが現状だ。

こうした中では、どうしてもシェアの奪い合いにリソースが取られてしまうし、今や日本は衰退スパイラルに陥っていることを十分に理解しなければならない。そのような状況においては、なかなか利益の伸びしろが見つからない。となると当然、投資活動は鈍ってくる。つまり、

参入者を増やす→撤退者も保護される→競合が多すぎる→シェアが伸びない→成長が見込めない→投資活動も鈍る→経済が循環しない→税金に頼る

という逆スパイラルに陥っているのだ。そして前回の記事の通り、

税金に頼る→国が保護する→さらに税金に頼る→税金をうまく使える人が生き残っていく

という流れになっていく。

だが一方で、先日聞いた話では、北海道方面のきちんと儲かっている農家は、たとえ莫大な額になろうと「一体その技術はいつ実用化されるんですか?」……と、バンバン積極的に投資をしているという事実も聞いた。サイクルがきちんと回っていれば、こうした好循環が生まれてくるのだ。

なぜ筆者がくどいくらいこの部分について書くかというと、賢い人たちは現状の日本農業のこのような仕組みに気付いており、そうした人ほど積極的に、国が絡むような大きい組織と協力して事業を展開している。……だが今や、「本当に強い経営体は、国を超えて展開していく」時代だ。

最近のFacebookやGoogleやソフトバンクなどを見ていれば分かることだと思う。もはやそうした時代になってきたし、これからは『世界のどこで作ってどこに供給するか』ということを考えていく時期に入ってきたと思う。……だが国の傘下に入ってしまっては、国の意向が優先される。なので、そうした事業体が出てこなくなってしまうことが非常に惜しいのだ。色々調べていても、日本の技術は世界に通用する部分がまだまだ存在する。それを実力で切り拓いていく人たちが農業界にも現れて欲しいと願って、このブログを書き続けているというわけだ。




これからの新規就農者が取るべき道筋

……最後に、改善策や対案も出して欲しいという意見があったので書いておこう。

筆者は既に、ただの生産としての農業を行うつもりは無い。だが、まだ唯一のフロンティアである途上国に対しての農業進出は非常に面白いと思っている。これまでの二度に渡る東南アジア視察や昨年の香港でのイチゴ栽培の経験から、現場に関しての大まかなポイントは掴んだと思う。そして今年はミャンマーに行ってみるつもりだ。

既に幾つかの企業や日本人農家たちが先んじて進出しているが、まだまだアジアは広いし、ポテンシャルは無限大だ。ここはいっちょやる気ある新規就農者たちのネットワークを作ってアジア進出したいと思っているのだが、もし乗ってくるような無鉄砲な人がいたらぜひ連絡して頂きたい。……何の保障もできないが、面白いことだけは保証する。

そして宇宙農業へ……

そして、それ以外の方向性として、今一番アツくて面白そうなIoTと農業のコラボレーションに焦点を当て、起業に向けて準備している。やりたいことは、『インターネットを通じて、植物が自分たち自身で生産を行うインフラ構築』と、『それを通じて世界的な食料流通の最適化が行われるネットワーク作り』。そしてその先の『宇宙空間(コロニー)や地球外惑星での食料生産と生活技術の開発』だ。……そしてもうこれからは、農家は要らない時代だと思っている。

今は残念ながら、これまでの情報収集や視察などで活動資金が尽きてしまったので現在充電中だが、既に武器と糸口は掴んでいる。……というわけで、今後何があろうともこれに向けて進んでいくつもりだ。最初は独立にこだわっていたが、最近はこれらの目的が達成できるならどこに所属してもいいや……と思えるようになってきた。なので、もしスカウトしたいという所があればお待ちしています……と宣伝をして、この記事を締めくくることにしようか(笑)。

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