続・これからの新規就農者が陥る状況とは

      2017/04/09

以前に書いた記事が非常に反響があり、やはり思っていることは皆同じかと再確認したので、改めて追記しておきたい。

これからの新規就農者が陥る状況とは





個人直売という選択肢

筆者も最初は、当時のブームに乗っかって個人直売をしたいと考えていた。そして農的なことに興味がある人々のネットワークを作り、ゆるやかなコミュニティを形成して暮らしていければ……と。

だがこれは、一時的なブームでもあり、その結果考えていることは皆同じであり、これからのビジネスモデルとして成り立たせるのが非常に難しい形だったとその後気付いた。そもそも個人直売というビジネスモデルとしては、以下のような大手競合が存在する。

Oisixのお試しセット

大地宅配のお試しセット

……リンクを貼らなかったのは、新規就農者に対するせめてもの良心だと思って欲しい。

個人事業主として行う農業から作られる商品ラインナップと、それらを束ねて一括管理する上記の商品ラインナップでは、クオリティが段違いだ。そして、当然ながら価格競争力で全く勝てない。サービスも同様。

これらに対して個人事業主が勝てる部分があるとすれば、それは『大手が真似できない独自性のある商品』か『個別に対応する感情的訴求力』しかない。要するに、オリジナル商品か義理人情の世界となるわけだ。昔ながらの商店街の電気屋さんのサービスを思い浮かべてもらうといい。

それができない所は、いずれ淘汰されるだろう。

農地計画、行政の意向との食い違い

先日、筆者も給付金関連で役場との面談があったが、そこで方向性の違いについて再確認させられた。

現在、国が行い、地方へ持ちかけられている新規就農者政策は、現状維持に焦点が当てられている。つまり、「これから放棄されて荒れている農地を増やさないために農業者を維持しよう」という目的の下に政策が作られているのだ。なので、行政側は「担当地域の農地を利用する」ことが目的であり、就農側の「経営を成り立たせる」という目的とはズレている。……そのため、現在のような軋轢が生まれてくる。

これをうまく行政側がトップダウンで方向性を示さない限り、いつまで経っても地方の向かうベクトルは変わらないのではないかと感じた。なので、新規就農者には地域や農協や役場から、半無理やりに農地が押し付けられることになる。効率や条件などは二の次だ。……旧世代にとっては、『農地を維持すること』が農業の目的なのだ。

その辺りの苦労と苦悩に関しては、こちらのブログが詳しい。

農業ってそういうことだったのか




プレイヤーの問題

そして最後に、新規就農者側の問題についても触れておこう。以前の記事に関して、「改善策や対案を示して欲しい」という意見が聞こえてきた。……正直、あまりに眠たすぎて平和ボケな意見だと思って放置している。

……おそらく、『こういう人たちが農業界をダメにしている』。

何を甘えたことを言ってるんだ。

言っておくが筆者はJA職員でも農業改良普及員でもない。ただの給付金を貰って日々を凌いでいるに過ぎない、ただの新規就農者だ。タダでこれだけの情報を提供しているだけでもありがたいと思って頂きたい。こういう方々が、人からタダで何かを求めるから、それに応じてあれもこれも……と補助金スパイラルが生まれてくるし、過剰なアドバイザー数の存在にも繋がるのだろう。完全に誰かに依存している状態だ。

筆者の活動をご覧になっている方はご存知だと思われるが、このような経営状態の中、三ヶ月ぐらいラーメンとカレーやカップラーメンで過ごしたり、ボイラーが壊れても直せずに薪で風呂を沸かしたり、来月には破産寸前だ……というギリギリの状況の中、危険な目にも遭いながら海外視察をしたり、自分の頭や足で未来農業に繋がる情報を集め、リスクを取って少しずつチャンスを掴んでいこうとしているのだ。

まとめ

別に、これが特別だなんて言うつもりはない。……これまでに生き残ってきた同じ環境の人たちなんてゴマンといるだろう。むしろ、現在は給付金が貰えるだけ非常に贅沢な環境だと言っていい。……なので、雑草を食う覚悟がある人でない限り……いや、正に実際に雑草を食っている人でない限り、私は救いの手なんて伸ばすつもりはない。そういう意識の無い方は、とっとと辞めて頂いた方がいいだろう。

このように、課題やその解決策を自分の頭で考え、リスクを取って挑戦して実行していける人でない限り、これからの経営者としてはやっていけないだろう。経営に魔法みたいな解決策など存在しないのだ。もし勉強したいなら、木下さんのこちらの記事でも読むといい。

地方は「真面目な人々」によってつぶされる

改善策なんて簡単だ。

自然のままに生き残っていける人だけが残ればいい。それが生命力というものだ。

……農業を行っている我々なら、皆様当然よく知っているだろう?

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