節目が変わった?日本農業が進もうとしている道筋を考察してみる #未来農業media

      2017/05/14

最近の農業関連ニュースを見ていると、少し前と比べて随分変わってきたなと感じる。今回は、そんなニュースの一部をご紹介したい。



最近の農業ニュース

クボタ、全国でIT農業
データ駆使、効率生産 15法人で1000ヘクタール展開

まずは、農機メーカーのクボタが生産に参入という話題だ。生産法人を作り、全国で1000haに展開するつもりらしい。

これまでは、何故か『聖域』かのように生産に参入する農業関連企業はいなかったのだが、ここ最近は次々と参入する所が増えてきている。……その最も大きい理由はITによるものだろう。これまでは生産者の『勘』がモノを言っていた世界から、より数値が見える『データ農業』が実用化されてきたからだ。

その最たるものがこちら。

高精度測位システムで除排雪や農業をスマートに、パナソニックがシステム開発

ソニーのドローンといい、これからも大手メーカーの農業への取り組みは増えるだろう。一気に節目は変わったような気がしている。そして、いずれは出てくると思っていたソフト系の参入がこちら。

スマホで自分専用のリアル農園が持てる!『こっそり農遠』オーナー募集スタートIoT農業 第一弾、岡山イチゴ農園 300区画

これまでにも、幾つかゲームとシンクロさせたリアル農業の企画は出てきていたが、こちらも大分進化してきているようだ。詳細に関しては分からないが、試行錯誤を繰り返すうちに段々と実用化できるようなシステムができていくことだろう。これは結構筆者もやりたい分野だ。

近未来の日本農政の方向性を予測してみる

さて、前回の農水省の予算配分と先日までの記事、そして最近発表された新規就農者の統計情報から、今後の日本農業の方向性を考えてみたいと思う。

新規就農者向けに確保された給付金の受給者は、この二年間でなんと12000人を越えたそうだ。中には農業法人に就職したり、農家の親を継いだ人もいるだろうが、その多くは家族または個人事業主であり、経営規模としては大きくないはずだ。そして、一度給付してしまった以上は、なかなかそれを打ち切ることも難しいだろう。……ということは、今後五年間は今の参入者がかなり残ると思っていいかと思う。

一方で、今回お知らせしたように大企業側からの参入も増えており、さらに進化するテクノロジーによってまだまだ生産性も上がる可能性がある。さらにサービス側としては規格外品の流通事業や大手ネット企業の食品宅配も始まっており、流通の最適化が起こってくるだろう。

そんな中、高齢農家が引退するとはいえ、日本人口は依然減り続けており、需要はどんどん少なくなっていると言ってもいい。TPPのことも踏まえ、これらのことを考えてみると、やはり予想していた通り生産過剰状態は続くか、またはさらに加速する可能性もある。こうなってくると、確実に日本の中だけでは需要に対して供給量はオーバーしてしまうことだろう。

となると、その出口をどこかに求めなければならない。経営能力のある事業体は自分で行うだろうが、わざわざ税金を使って就農者を増やしている政府側としても、何とかその面倒を見なければならないという意識はあると思われる。そうなると、その目標は海外に持っていくしかない。政府の輸出方針を見ていても、それは確実に実施されていくだろう。先日ご紹介した、イオンとの連携記事がその辺りを表しているのかも知れない……。

最近の動向のまとめ

これらの動きをまとめてみると、大体こんな感じだろうか。

政府が主導となって大企業とともに海外に販売先を確保し、そこへ向けた各農家や生産法人の作物をまとめて輸出を行い、それによって国内農家の販路、そして雇用の確保へと繋げる……と。

……これで、おそらく最近の日本農業の動きの流れが見えてきたような気がする。このまま何も考えずに農業を続けるのであれば、きっとこの流れに巻き込まれる形でしか存続していけないのではないだろうか?もしくは、そこから離れたとしても過当競争の蟻地獄が待っているだけだ。

やはりそれ以外の道を模索するか、何か新たな違う方法を考えねばならないと筆者は思うのだが、果たして皆様方はどうすることだろうか……。引き続き気になる所ではある。

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