日本の農業はもっと危機感を持ったほうがいいという話 #未来農業media

      2017/04/09

最近の農業関係のニュースは、非常に驚くものが多い。またしてもこんな記事が目に飛び込んできた。



中国農業の勢い

米国農機大手のAGCOと中国アリババ傘下企業が提携。大型農機のネット販売など

いよいよ中国が、米国の大型農機を導入し始める準備ができたようだ……。ちなみにアリババというのは、中国における最大手EC起業である。

漢字だと阿里巴巴集団と書くこのグループは、まだベンチャー時代だった頃にソフトバンクの孫正義氏が出資し、それから瞬く間に巨大企業へとのし上がっていったIT企業である。CEOのジャック・マー氏は非常に有名だ。淘宝網(タオバオ)と呼ばれるECサイトは、2億人の会員を持ち、EC市場の80%のシェアを握っているというモンスター企業でもある。

香港にいた際も、何か買う時はタオバオだと友人によく言われていた。ちなみに中国は電子マネー取引が盛んな国で、WeChatと言うアプリでかなり様々な分野の取引が可能らしい。……どんどんと日本は情報テクノロジー分野の活用で遅れをとってきている。

さてそんなアリババだが、農村を対象とした『農村淘宝』があるのにまず驚く。日本のような農協システムが普及していないせいかもしれない。一気にECの波は農村へも押し寄せてきたようだ。農機具をネットで買うだけでなく、米国で広がってきているビッグデータシステムなどを取り入れ、コンサルティングなども始まるという……。

一昔前の日本のように高度成長期が始まり、一気に中間層が増えた中国は、内需だけでも相当な経済力を内包している。これからさらに農業を含めた食分野は発展していくことだろう。それが世界に与える影響というと……?

考えるだけで恐ろしい。日本も今後、EUのように半鎖国政策で国内を守り続けるしか無くなってしまうのだろうか……?

日本農業はベクトルが違う

そんな一方で、日本で見つけた記事がこちら。

兵庫県の農業施設リース制度 応募が想定の6倍、追加予算検討

>新規就農者のほか、農業生産法人、規模拡大を目指す農家の申請が目立つ。品目別では葉物野菜35件、トマト21件、イチゴ18件などとなっている。

……どんだけドメスティックに競争率高めてるんだ。完全に兵庫で農業する気が起きない……。

筆者は補助金否定派だが、それはこういう「税金が出るからやろう」的な方々が多数参入してきて、業界全体としての質が下がると思っているからである。それならいっその事、一度無くしてしまうことにより、そうした人々を排除し、純粋な競争のみで勝ち残っていく経営者が残ることによってクオリティが上がっていくのだと思う。……特に農業のような、自然の力の恩恵によって、素人でもある程度できてしまう業種なら尚更だ。

と同時に、そうした業界にはリスクマネーが入ってこない。要するに投資だ。こっちが全力で裸足で駆けている横で、国から貰ったバイクで足の遅い人間が悠々と走っていくのを見れば、それはやる気も無くすだろう。そのような状況が実際に起こっている。

なので、もし税金を投入するのであれば、より生産性を高められる、新たな可能性のあるビジネスモデルにチャレンジする人に集中して欲しいと強く思う。例えば、筆者も受けている青年就農給付金も、10人分を可能性のある1人に集中するというような。

新しい農業の可能性のアイデア

筆者のような就農して二年目の若輩者でも、挑戦することによって海外で何百haもの農地を活用しないかとか、宇宙農業に繋がる技術へとアクセスすることが全然可能だったのだが、どうやらそれは行政側には全く評価されないようだ。

他にも、

  • 昆虫の視野を解析して、光を活用したより効率的な防除の方法とか、
  • オンラインでの築地市場のような場を作るとか、
  • 植物自身が自分たちで生産を行うようなシステムを作るとか、
  • 宇宙空間や火星での農業に向けた技術の開発とか、

いくらでもアイデアは出てくる。

なのに、ただ現状の技術を活用して規模を拡大するだけの経営には全然ワクワクしないし、結局農地の取り合いになるだけだ。

……日本はもっと危機感を持って望まないと、ジリ貧のまま、高度成長している他国に追い抜かれてしまうだけだろうと非常に懸念している。

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